ご挨拶
何かにはまって生きづらくなっている人(依存症者)の援助者は、ずっと「何を治すのか」を迷い続けてきました。現在、依存症からの回復とは、患者さんがはまっているもの(酒・薬・ ギャンブル等)を必要とする生き方を変えることであり、そのお手伝いをすることが治療であると考えられています。また、これまで「アル中は、性格が悪い奴がなる」「意志が弱いから薬やギャンブルが止められない」などと言われてきました。しかし現在は、脳内で実際に変化がある「病気」であるといわれています。それは「中毒」から「依存症」へと診断名が変わってきたことにも表れています。健康面や社会的な立場等の様々な危機的状況を抱えた依存症者がその生き方を変えるためには、安心してそのことに取り組める「回復の場」が必要です。依存症者はその中で、自らが治療の主役となって回復していくのです。今後当院は、その「回復の場」をより多く創っていけるよう、依存症治療拠点機関として北海道内のネットワーク構築に向け、各関係機関との連携・協働に尽力していきたいと思っています。
依存症センター長 |
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