依存症治療

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お酒、薬物、ギャンブルに関するトラブルで悩んでいるご本人、ご家族の方はいませんか?当院では、依存症専門の医師、ソーシャルワーカーが個別の相談を受け、依存症専門病棟(3-1病棟)で治療(アルコール・リハビリテー ション・プログラム)を行なえる環境となっております。 「適量でやめる事ができない。」、「飲まなければ良い人なのに。」・・・など、お困りの方は、当院の医療相談室までご連絡ください。

アルコール依存症について

人間とアルコール飲料の付き合いは古く、石器時代からといわれています。現在では、冠婚葬祭や社交などのほか、日常生活の一部としてもアルコール飲料は欠かせない存在となっており、節度をもって飲むことで、心を楽しませ、人間関係の潤滑油の働きをするなどの効用が得られます。しかし、その飲み方を誤ると、薬物としてのアルコールの作用で、心と身体、社会生活にも障害をもたらす可能性があります。

●アルコール依存症は病気です

飲み続けることで、年齢や性別、職業には関係なくかかる病気です。人格の問題や、一部の生活破綻者だけの問題というのはよくある誤解です。目立つのは暴力・暴言のある酒乱タイプの人ですが、実際は、ごく静かに飲むタイプの方が多いといわれています。

●アルコール依存症の特長

主な特徴は、飲み方の異常と離脱症状です。
飲み方の異常とは、例えば、今日こそは飲まずにいようと思っても、つい飲んでしまう。少量でやめようと思っても、決めた量をこえて飲んでしまうなど、飲酒に対するコントロールを失っている状態のことで、量の問題ではありません。
離脱症状とは、いわゆる禁断症状で、体内のアルコールが減ってきたときに出現します。代表的なものは、手のふるえや発汗で、幻覚や幻聴がおきることもあります。

●病気の目安として

アルコール依存症チェック~CAGE~  

1.飲酒量を減らさなければと感じたことはありますか?  
2.周囲の人に飲酒を非難されて困ったことがありますか?  
3.自分の飲酒について後ろめたさを感じたことがありますか?  
4.朝酒や迎え酒を飲んだことがありますか?  
※2項目以上あてはまるとアルコール依存症の可能性があります

●回復のためには…

意志が弱いからやめられないのではなく、依存症という病気の為に自分の力ではやめられない状態です。しかし、そもそもは飲み始めた本人の責任といわれればその通りですが、責任を追及しても病気は治りません。
回復をスタートするためにはまず断酒することが必要です。保健所、自助グループ、医療機関などに相談することで、回復のサポートが得られます。お気軽にご相談ください。

当院で行っているアルコール・リハビリテーション・プログラム(ARP)

~嗜癖問題に関するプログラム~

1.アルコー ル依存症ハンドブック
 ・アルコー ル依存症の診断基準
 ・アディクション (嗜癖)の概念
 ・病気による身体的、精神的、社会的なプログラム
 ・回復のために必要なプログラム
 ・回復のプロセス
 ・再発防止およびアフター ケアについて
 といった内容の資料を基に、専門医(白坂知信院長)による講義があります。

2.i-map

ishibashi-multi-addiction-program (いしばし式マルチアディクションプログラム)

 ・アディクション (嗜癖)問題の整理と動機づけ
 ・回復者との関わりを通した自己の振り返り
 欲求への対処法
 より良い回復のために必要なこと
 といった内容のワー クブックを用いながら、看護師と共に飲酒問題の整理を行います。

3. 読本、写本

市販されている本(アルコ ー ル依存症を知る・何故私たちはダルクにいるのか ・ギャンル依存)を自分に当てはまる部分に注目しながら読むこと、書き写す事をします。繰り返し行う事で、自分のどんな所が間題なのかを整理し、病気についての理解を深めます。

4. グループワーク

飲酒や薬物乱用、ギャンル等、自己の嗜癖行為を通して「失ったものは… 家族や周りの人達へどんな迷惑をかけたか… 自分はどんな気持ちでいたか・・・」等、何故入院しなければいけなかったのか、自分の体験を語り、また人の話を聞くことで自分自身のこれまでの生活について考えます。

5.断酒会初心者例会、AAビギナー ミー ティング

断酒会の会員やAAのメンバー の方々に病院に来ていただき、入院中の方 (入院~1ヵ月の患者さんが対象)とともに、これまでの嗜癖問題にまつわる体験談を話し、また他の話も聞くことを通して過去の自分の生活を振り返ります。

6.合同例会

入院中の方、外来通院中の方、家族の方、等々を対象に行う医師の講義です。アルコール依存症ハンドック・スライドを用いて、嗜癖問題全般とその回復過程についての説明を行い、身体的・精神的・社会的な障害について理解していただきます。

~心の健康を取り戻すプログラム~

1. 自助グルー プヘの参加

市内の断酒会、AAに参加して、飲まないで生きていく事の意味を自分に見つけていきます。自助グルー プは単にお酒を飲まない事を目的にした団体ではなく、お酒のない生活を通して新たな自分を再構築していく事を根底に活動しています。アルコ ー ル依存症に限らず、様々な嗜癖間題から回復していく為に、自助グルー プヘの参加は必要不可欠であり、現在では日本全国において嗜癖毎の自助グルー プが存在し、積極的な援助活動が展開されています。

2. 夜間例会

外来通院されている方々と入院中で退院の近い方々が集まり、外来者の体験談をもとに 「飲酒欲求にどう対処したか」 「飲み仲間の誘いをどう断ったか」等の酒に関することや、「家族が病気に対して理解をしてくれない」 「子供の問題」等の家族関係について、また、「お金や時間の使い方」「職場の人間との付き合い方」等、生活の計画性などの具体的な対応について実践的に話し合い、理解を深めていきます。

3. アサー ティブ トレー ニング

嗜癖間題を抱えている人は、大なり小なり対人関係障害を併せ持っています。何かにはま っている間は他人との関わりを気にしなくても過ごせますが、入院してくるとアディクシ ョンの対象がなくなるため、途端に攻撃的になったり、言いたいことを言えなかったりします。精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士、看護師等々医療スタッフを相手に、心の中にある不安、不満、不全感、自己否定感、怒り、等を自分の言葉を使って自己表現していく練習が必要となります。状況を的確に見極める力を養い、出来る事は無理せず行う技術を獲得し、出来ない事には「NO」と言える自分を確立していく為、医療スタッフとの会話を中心にコミュニケー ションギャップを解消していく事が大切になります。

~生活能力全般を回復するプログラム~

1外出、外泊

実社会の中で嗜癖行為に頼らず生活する技術を得る為、外出、外泊をしていただきます。欲求が来た時にどう対応するのか、また、壊れた家族関係や職場関係等を修復し、今後どのように生活していくのかを話し合う事で、現実の生活における対処能力を高めます。

2. 作業療法

一日の生活リズムを取り戻し、退院後の生活の準備をする為に作業療法を行っています。

・アルコ ー ル創作~
木工や和紙工芸などの作品を完成させる、習字や塗り絵などを行う中で、注意力や構成力を養うとともに、達成感や満足感を味わいます。作業活動能力を高めるとともに、対人交流を深めます。

・アルコ ー ル調理~
食の重要性、調理の流れ、自分に必要な食事を知る体験の場です。仲間との作業や食事の中で健康的な楽しみを体験します。作る事の手間を嫌い、インスタントラー メンや弁当ばかり食べるという生活になりがちです。誰でも簡単に作れ、食事を楽しむことを目的に行っております。

・アルコー ル健康運動クラブ
簡単な体操やストレッチなどの運動を行う事で体力作り、気分転換、健康への意識を高めます。

・病棟作業療法
ダー ツなどのゲー ムや、カラオケ、中庭野球など行います。中でも人気なのが、カラオケです。嗜癖問題に陥ると、それ無しだと自分が自分ではないようで、感情表出がうまくいかない人が多いものです。しらふでスポー ツや音楽を楽しむ事を通し、自分の内面にある言葉に出せない思いを表出していく事を目的に行います。

3. ロールプレイ

「お酒や薬の誘いがあった場合どう断るか」「ギャンブルや買い物の欲求が起きた時どう対処するのか」等、実際の生活場面を想定して、数人でグルー プを作り、各自が交代で演じてみます。その退院後の再発防止の為の実践的なスキルを学びます。

退院後のプログラム

依存症からの回復は、入院治療が終了し退院してからが肝心と言えます。お酒を飲まない、薬を使用しない、ギャンブルを行わない生活を継続していく事が必要です。その為には、退院後のアフター ケアが重要となります。定期的な外来通院、自助グルー プヘの参加、デ イケアヘの通所、訪問看護を利用しながら、安定的な生活を確実に過ごしていく必要があります。

~デイケア フォレスト~

院内併設型のデイケアを設置しております。依存していたものから離れた生活を送る際に、これまでの時間の使い方を変える必要性を感じる人が多くいます。デイケアヘ通所することで生活リズムを整え、同じ目的を持つ仲間と交流し活動する中で、依存対象を必要としない健康的で自分らしい生活を送れるようになる事を目標とし、支援させて頂きます。

~石橋病院訪問看護~

断酒の決意をし、プログラムで技術を身に着けて退院しても、現実は思う通りに行かない事や退院してみて初めて気づく事があります。訪問看護は、家での生活に慣れ、お酒のない新しい生き方を身に着けるお手伝いです。利用者さんからは「一人の時間が少しでも減 って気持ちが楽になった」「自分の考えや行動を見直すことができた」という声が聞かれます。お酒を飲んだ、飲まないという事ではなく、社会で暮らす中で感じる事を、一緒に考え、一緒に悩み、一緒に喜びを分かち合い、お酒のない生活を続けていくために訪間看護は重要なのです。

お問い合わせ先

いしばし病院 医療相談室

〇日時:(10:00~15:00 土・日祝休み)
〇電話:代表 TEL0134-25-6655