アルコール依存症に関する専門医からのアドバイス

アルコール依存症について

アルコール依存症、以前は慢性アルコール中毒と呼ばれていた病気です。1850年頃、産業革命で安価なアルコール飲料を多くの人が飲めるようになった事から発症者が急速に拡大したという歴史があります。とても誤解されやすい病気です。「毎日飲んで暴れる病気」「駄目な人がかかる病気」etc。でも、優秀な企業戦士や良き家庭人でもこの病気を抱えて悩んでいる人がたくさんいます。
この病気を一言で言うと「アルコールが必要だけどちょうどよく飲めなくなっている」ということができます。ちょうどよい飲み方ができないので身体の健康を損ねていたり周りの人に迷惑や心配をかけてしまいます。その為強い自己嫌悪に苦しんでいる方もおられますし、そんな人はだから更にお酒が必要になってしまいます。
ですから、この病気の治療とはアルコールが必要な身体や心、アルコールが必要な生き方を「必要としないで済むように」変えていくことなのです。アルコールは神経毒、肝臓毒という薬物としての性質を持っていますが気分を変える飲み物、人と人、人と神様をも繋げるコミュニケーションの道具として人間社会の中で貴重な役割を果たしてきています。
ですが、アルコール依存症になったりなりかけている人(アルコール依存症予備軍と呼ばれています)ではアルコールは飲めば飲むほど気分が悪くなり、大切な人とのコミュニケーションも歪めてしまうようになってしまうのです。アルコールを必要としない生き方を身に着けるのは大変な作業ですが治療に積極的に取り組むと充分に可能であることがたくさんの患者さんで証明されています。
今、アルコール健康障害対策基本法という法律もできて国全体でこの病気からの回復を応援するようにもなってきています。
是非、一人で悩まないで相談窓口を訪ねてみてください。

山家研司Dr